不満げに私を見つめる黒猫は、ペロリと前足を舐めるとお行儀良く座ったまま、ツンとそっぽを向いた。尻尾は今だにタシタシと地面を打っている。なんだか終始ご機嫌斜めといった様子である……。
「猫さん、何か怒ってる?」
「……そうやって何でもかんでも聞いてくるけどさ、少しは自分で考えたら?」
「あ、はい……すみません……」
きっぱりと、怒られてしまった。ショックだ……でも、言われて見れば確かにその通りである。私が探すよう言われたのだから、私が探さなければ意味がない。早速人任せにしようとした自分が恥ずかしい。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
「は? なんで?」
「だって探さないといけないから……」
「こんな所、無闇に一人で行ったって迷って帰れなくなるだけだよ」
「でも約束したから行かないと……待ってると思うし」
「ほんと君はそれしか考えられないんだから……」
やれやれと溜息の猫さん。どうやら私の事をよく分かっているらしい。



