「手伝うよ。ご飯をよそえばいい?」

「すみません、ありがとうございます。じゃあ私はその間にお弁当を準備しちゃいますね」

「了解」

 オペラッシュも落ち着き、私の話を聞いて考え直してくれたようで、すべて自分で抱え込まずに後輩に術後観察は任せるようになったらしい。ほぼ毎日家に帰ってきて、夕食と朝食をともにしている。

 理人さんは料理が苦手らしく、前に何度か作ってみたものの、うまくできなかったようだ。でもその分、こうしてできることは積極的に手伝ってくれている。

 お弁当をふたり分包み終える頃には、理人さんが私の分もご飯をよそい、お茶まで用意してくれていた。
 いつものように向かい合って座り、お互い手を合わせる。

「いただきます」

「いただきます」

 一緒に食べるようになってから、毎回理人さんがご飯を食べてどんな反応をしてくれるのかを見るのが楽しみになった。