やっぱり迷惑だろうか。最初に約束ごとを決めた時、自分の生活スペースに踏み込んでほしくないのかなって感じてはいたけれど……。

 なにも言うことなく答えを待つこと数分、理人さんは真剣な面持ちで私を見つめた。

「本当に無理していない? 負担にならないんだよな?」

「はい!」

 すぐに答えた私に対して、理人さんは表情を和らげた。

「俺たちは普通の結婚をしたわけではないし、野々花に俺のことで手を煩わせるつもりもなかった。……でも正直、自分でも今の生活をずっと続けていたら身体に悪いということはわかっていたんだ。これを機に生活習慣を見直してみるよ」

「それじゃ……!」

「あぁ、野々花さえよければ俺の分の食事もお願いしたい。それとこれからはできるだけ家に帰って休むようにするよ」

 彼の言葉を聞き、嬉しくて笑みが零れた。

「ぜひそうしてください。あ、嫌いな食べ物やアレルギーなどはありますか?」

「とくにないよ、なんでも食べられる」