3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 五分ほどでたどり着き、無事に書類を届けることができた。踵を返してエレベーターホールへ向かっていると、「ちょっといいかしら」と背後から声をかけられた。
 振り返った先にいたのは、四十歳くらいの看護師で厳しい表情で近づいてくると私の前で足を止めた。

「ごめんなさい、引き止めたりして」

「いいえ、大丈夫です。あの、もしかして書類になにか不備がございましたか?」

「ううん、書類のことじゃなくて……こっちに来て」

 周囲を見ながら看護師は私の腕を引き、近くの談話室に入った。そしてドアを閉めて真っ直ぐに私を見つめる。

「部外者が口出すことじゃないってわかっているんだけど、あなたを見かけたら言わずにはいられなくなってしまって」

「なんでしょうか」

 仕事のこと? それともここは外科だし、理人さんに関すること?
 緊張がはしる中、看護師を見つめ返す。

「お節介ながらも、以前から高清水先生の食生活を心配していたのよ。あなたと結婚して少しはマシになるかと思ったら変わらないじゃない? ねぇ、高清水先生って家でも食に関して興味がないの?」

「それは……」