3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 今日は一日入退院窓口業務。いつもに比べて入退院する患者は少ないものの、緊急搬送された救命室からの入院患者が多かった。

 入院予定となっていた患者とは違い、救命室からの患者は突然の事態に気が動転している家族がほとんど。できるだけ簡易に要点を絞って伝えるようにしている。

 退院する患者とは違い、これから入院する患者の家族は不安や戸惑いもあって聞き逃してしまうこともあるため、大事なところはマーカーペンを引いて説明をすることを心掛けてもいた。

「今日は入院患者が多くて大変だったわね」

「そうですね」

 一緒に業務にあたった先輩と片付け作業をしていると、先輩が「あ」と声をあげた。

「どうしました?」

 作業する手を止めて先輩を見ると、深いため息を漏らしながら一通の封筒を手に取った。

「入院患者の書類、一通外科病棟に送り忘れちゃってたよ。急いで行ってくる」

「それなら私が行きますよ」

 先輩はひとり親で四歳になる娘さんを育てている。だからいつも仕事が終わるとすぐに病院内にある託児所へ急いで迎えに行っていた。