3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「今日はお疲れ様」

「……はい、お疲れ様でした」

 次のステップがものすごく気になるけど、聞いても教えてくれなそうな雰囲気だったため、私はそのまま車から降りた。すると理人さんは窓を開けた。

「家に入ったらすぐに戸締りをして電気をつけろよ。それまでここにいるから」

「え? 大丈夫ですよ、帰っても」

 ここにはもう何年住んでいると思っているの? 治安も悪くないし、防犯カメラも設置されているしドアはオートロックとセキュリティも万全なのに。

「契約とはいえ野々花は今、俺の婚約者だ。心配して当然だろ?」

「それはっ……そう、ですが」

 元カレにもここまで過保護に心配されたことはないから、ものすごく照れ臭さを感じてしまい目が泳いでしまう。
 そんな私の心情はバレバレなのか、理人さんは笑いを堪えながら続けた。

「わかったら早く家に入れ」

「は、はい」

 クルリと回れ右をしてアパートに向かおうとした時、「おやすみ、野々花」と優しい声が背後から言われて思わず足が止まる。
 チラッと振り返ってみれば、本当に理人さんは帰る様子はなく私を見送っている。