3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 変に興味を注がれるが、お互いのプライベートに干渉しないという約束を思い出す。

「話は反れたが、結婚後は約束通り俺のマンションで暮らす予定だ。両親とも会うのは新年などの節目ぐらいだろう。その時は悪いが仲が良い夫婦を演じてほしい」

「はい、それはもちろんです」

 私と理人さんは契約結婚。それも期間限定で離婚が決まっていると改めて自分に言い聞かせる。
 ちょうど車は私のアパート前に到着し、彼は車を駐車させた。

「送ってくださり、ありがとうございました」

 シートベルトを外して降りようとした時、急に彼に腕を掴まれた。びっくりして顔を上げれば、目が合った途端に理人さんはにっこり微笑んだ。
 なにかを企んでいるかのような笑顔に、身体中に寒気がはしる。

「さて、野々花。無事にお互いの家族への挨拶を済ませたことだし、次のステップに進もうか」

「つ、次……ですか?」

 なんだろう。なぜかものすごく嫌な予感がする。

「あぁ」

 そう言って理人さんは私の腕を離すと、手をひらひらさせた。