3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「理人さんはあれで無事に挨拶が終わったと思っているんですか?」

 思わず皮肉交じりに言えば、彼は困ったように眉尻を下げた。

「俺としては無事に終わったと思っている。……まぁ、普通に考えたらそう思えないだろうけど」

 苦笑いしながら言う理人さんに、「そうですよ」と言い返してしまった。

「私が本物の結婚相手だったら、好きな人のご両親のあんまりな態度に泣いてましたよ」

 彼とは契約の関係だからこそ乗り切れたまでだ。

「もしかしたらご両親は、理人さんと結婚してほしい女性がいたのかもしれませんよ」

 いや、間違いなくいるのだろう。だから彼の母はあんな意味深なことを言って私を揺さぶったに違いない。それを私に追及する資格はないけれど、とっても嫌な思いをしたのだからこれくらいの意地悪は許されるだろう。

「そうだろうな。……だからどんな女性を連れていったって、両親は納得しないんだ。そうわかっていたのに悪かった」

 嫌味たっぷりに言ってみたものの、予想外の答えが返ってきて「い、いいえ」の後の言葉が続かなかった。

 え? なに? じゃあどうしてその人と結婚しないの?

 疑問が喉元まで出かかった時、先に彼が口を開いた。