3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 それを期待しているのか、彼の母もジッと私の様子を窺っている。その期待に応えられなくて申し訳ない。

 とりあえず、なにか言って理人さんとの仲を疑われたら困るから笑顔で乗り切ろう。
 先ほどの彼の母のように微笑み返したら、向こうは目を見開いた。そして次の瞬間、睨まれてしまう。

 もしかしたら対応を間違えたかもしれない。ここは落ち込んだり、泣いたりするべきだったのかも。

 いよいよなにも言えなくなった時、電話を終えた理人さんが戻ってきて難を逃れた。

 それからは結婚式の話となり、理人さんは式を挙げる際に招待するべきリストや式場を選ぶポイントなど、ふたりからいろいろと指南されていた。


「無事に両親への挨拶を終えてくれてよかったよ。ありがとう」

 帰りの車内で、理人さんから開口一番に言われた一言に顔が引きつる。

 誰がどう見たって無事に終えたとは思えない。理人さんが戻ってきてからご両親の態度は、まるで私などいないかのようだった。