3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 こういう時は、どういった態度に出るのが正解なのだろうか。下手なことを言って怪しまれたら困るし……。

 正解の答えを模索している間も、彼の母は続ける。

「それと近々、長年離れ離れだった理人の大切な幼なじみが帰国予定なの。……もしかしたら理人、あの子と再会して野々花さんへの気持ちが薄れてしまうかもしれないわね」

「えっ?」

 どういうこと? 理人さんは女性なんてこりごりだって言っていたのに。いや、べつに理人さんに特別な存在がいたっていなくたって私には関係のないことだ。
 条件のひとつに、お互いのプライベートには干渉しないとも約束をしたし。

「あら、ごめんなさい。これから結婚するっていうのに動揺させるようなことを言ってしまって。でもあなたたちは愛し合っているんですもの。なにがあってもふたりの関係は壊れることはないと願っているわ」

 にっこりと微笑みながら声に棘を生やして言われ、いよいよ返答に困ってしまう。直球で嫌味を言っているというのに、彼の父は口を開くことなく紅茶を飲んでいる。

 理人さんになにを言われても気にするなって言われたからスルーしちゃうけど、これが本当に愛する人の母親に言われた言葉だったら、さすがに泣いてしまうかもしれない。