3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「初めまして。ご挨拶が遅くなってしまい、申し訳ございません。泉野々花と申します」

「あなたのことは、少し調べさせていただきました。主人の病院の会計窓口で働いているそうね」

「は、はい……!」

 彼の母の声はどこか棘を含んでいて、声が上擦ってしまった。

「父が認めたとなれば、私たちはあなたを家族として迎え入れる。……だが、うちの病院で働いているなら重々理解していると思うが、理人は私の後継者だ。今後、あなたの言動がすべて理人の評価に繋がることを忘れないでほしい」

 私のことを家族として迎え入れると言っても、それは祖父が認めたから渋々といったところだろうか。
 でも当然だと思う。私だって最初は自分では理人さんに不釣り合いだって思い、契約結婚を持ちかけても断られると思っていたのだから。

「はい、肝に銘じます」

 私が怯むことなく言ったことが意外だったのか、両親は顔を身わせて気まずそうに目を泳がせた。

「わかってくれたならいい」

 バツが悪そうに父が言った後すぐに、理人さんのスマホが鳴った。彼は電話の相手を確認すると顔をしかめた。

「悪い、病院からだ」