3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 ホテルを後にして私たちは久しぶりにマンションにふたりで帰ってきた。私たちが留守の間も家政婦が定期的に掃除をしてくれていたから、部屋の中は綺麗だった。

 玄関で先に靴を脱ぐと、理人さんは私に向かって手を広げた。

「はい、おいで野々花」

「ありがとうございます」

 彼にしがみつくと、軽々と抱きかかえられる。

「どういたしまして。でも愛しい妻を何度も抱きかかえることができて俺は嬉しい限りだよ」

 両想いになってからというもの、度々理人さんはこんな風に甘い言葉を囁く。言われ慣れていない私は、毎回恥ずかしくてたまらなくなるのだ。

 そんな私の左手薬指には、お揃いの結婚指輪に加えてさっき理人さんからプレゼントされた指輪は輝いている。

「実は野々花に見せたいものがあるんだ」

 そう言って理人さんが向かったリビングには、私より大きいクマのぬいぐるみがあった。

「え? どうしたんですか、これ」

 驚く私を見て理人さんは満足そうに笑った。

「その顔が見たかった。びっくりした?」

「びっくりしますよ」

 理人さんはそっと私をクマのぬいぐるみのそばに下ろした。