3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「なにかしら」

「私は浮気などしていません。それに理人さんから離婚したいと言われない限り、離婚もするつもりはありません」

 さっきは言えなかったことを言うと、お義母さんは鋭い目で私を睨みつける。

「正気で言っているのかしら」

 一瞬怯みそうになるも、ここで負けるわけにはいかないと自分を奮い立たせる。

「はい」

「はっきりと証拠が残っているのに?」

「私は浮気をしていませんから。それよりもこの日の写真は、彼を含めた友人三人で食事をした帰りに撮られたものなんです。遅い時間でしたし、完全個室の店だったのにもかかわらずなぜ渡部さんがこの写真を撮られたか聞いていますか?」

 こんなことを考えたくはないけれど、もしかして渡部さんは私の弱みを握るために、ずっと付けていたってこと?
でも彼女は医者だ。そんな暇などないはず。じゃあどうやって私たちが食事をする情報を得て、こんな写真を撮ることができたの?

 どうしても犯罪じみた匂いがしてしまう。それはお義母さんも同じなのか、急に慌てだした。

「話を変えないでちょうだい。重要なのはあなたが理人以外の男と抱き合っていたという事実でしょ。この写真はもちろん理人にも見せますから」

「はい、かまいません」