3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 それに祖母のことでは力になってくれて、私のことを支えてくれた。そんな理人さんを好きにならないほうがおかしいと思う。

「野々花が幸せなら、私たちはなにも言わないよ。ね? 鈴木君」

「あ、あぁ。そう……だな」

 歯切れの悪い返事をしながら鈴木君は、私を真っ直ぐに見据えた。

「泉は高清水先生が好きで、ずっと一緒にいたいんだよな?」

「……うん」

 改めて聞かれると恥ずかしい話だけれど、それが私の本心だ。

「わかった。それなら俺もなにも言わないよ。じゃあ問題は渡部先生だけだな」

「そうだねー。高清水先生と距離を縮めたいところなのに、渡部先生がなにかと邪魔してきそう」

「いや、現にもう邪魔してるだろ。あれだけ病院内で噂になっているんだから。……でも昨日も言ったけどさ、周りがなにを言おうとまずは泉が素直にならないと、なにも前に進まないぞ」

「私も同感」

 まさにその通りで返す言葉もない。

「でもさ、いくら契約結婚の相手とはいえ、手作りの弁当をあんなに嬉しそうに食べたり、仕事人間だった人が急に早くに家に帰ったりはしないと思うけどな」

「一緒に暮らすうちに恋愛感情を抱くようになったのは、野々花だけじゃないのかもしれないよ」

 茶化すふたりに、昨夜のキスが頭をよぎる。