3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 マンションに着き、コンシェルジュに挨拶をしながらエレベーターホールへと向かう。

 本当は鈴木との関係も聞きたいし、友人と言うならばあの距離間は正しいのか問いたいところだが、それは今じゃない。まずは天音のことを解決するのが先決だ。

 エレベーターに乗って最上階に着き、鍵を開けて家の中に入ると美味しそうな匂いが鼻をかすめる。

「ただいま」

 そう言いながら廊下を進んでいくと、キッチンのほうから「おかえりなさい」の声が届く。

 ドアを開けてリビングから料理を作る野々花を見る。

「今日は早かったですね。すみません、もう少しご飯待っててもらってもいいですか?」

「あぁ。俺も着替えたら手伝うよ」

「すみません、助かります」

 いつもと変わらないやりとりなのに、変に緊張しているのは俺だけだろう。野々花の様子を見ると、事務のほうまでは天音の話は届いていないようで、ホッと胸を撫で下ろす。

 急いで着替えを済ませてキッチンに戻り、野々花になにを手伝えばいいのか聞き、一緒に夕食の準備を進めていく。

「今夜はまた豪華だな」