3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「私はね、医院長であるおじさまに望まれて帰ってきたの。理人のご両親は私と結婚してほしいんだって。だったら理人も親の願いを叶えてあげないと」

「俺は一度だって天音と結婚したいと言った覚えはない」

 昔のようにはっきりと意思表示するものの、天音は動じることなくにっこり微笑んだ。

「今はそうでも、これからはわからないでしょ? だって私ほど理人に釣り合う相手はいないもの」

 まったく話にならず、頭が痛くなる。

「もういい。話はまた今度だ。……だが、野々花には絶対に近づくな」

「わかったよ」

 あっさりと了承した天音に疑問が浮かぶも、いつの間にか周りに人が集まり始めていたことに気づいた。

「午前の勤務は以上だ。休憩に入ってくれ」

「はーい。理人、一緒にどう?」

「俺はまだやることがあるから」

「それは残念。じゃあ明日は一緒にご飯食べようね」

 手を振りながら天音は医局へと戻っていった。

 本当に父は正気なのか? チームの輪を乱そうとするし、看護師には難癖をつける。昔となにひとつ変わっていないじゃないか。

 それでもなお、俺のパートナーに相応しいと本気で思っているのか?

 頭を抱えながら中庭に続く廊下を進む。