３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「泉は渡部さんのことを知っていたのか？」

「それは……私も実は昨日知って」

　理人さんから直接言われたわけではないけれど、嘘は言っていない。実際に渡部さんと会ったのは機能が初めてだったし。

「そうだったのか。俺たち医局も渡部先生が来ることを今朝知らされて驚いているんだ。それに高清水先生もうちの病院にくることを知らされていなかったようで、渡部先生と医院長で内密に話を進めていたらしい」

　そっか、お義父さんが……。

「見ているこっちが不快になるほど回診からずっと高清水先生にべったりでさ、初日から敵を多く作っているぞ。……それに高清水先生も「やめろ」とは言っているけど、それほど強くは言わないし」

　すると鈴木君は心配そうに私を見つめた。

「大丈夫か？　高清水先生が泉を大切にしていることはわかっているけど、渡部先生と一緒にいる高清水先生を見たら不安になって……。あの二人はどんな関係なんだ？」

　言ってもいいのかな？　でも幼なじみだってことはすぐに広まるはず。

「幼なじみみたい」

「幼なじみ、か。それならあの距離間も仕方がないのか？」

　考え込む鈴木君の前で、私は複雑な思いでいっぱいだった。