3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 気持ちに気づいた途端、思った以上に理人さんのことを好きになっていた自分に気づく。

 大きな好きって気持ちはどうやったら消すことができるんだろう。報われることなんてないのなら、一刻も早くなくすべきなのに。
 今後のことを考えていたら、いつの間にか時間が過ぎていて休憩も残り二十分になっていた。

「そろそろ戻らないと」

 でも今はまだ更衣室に多くの人がいるだろうから、ゆっくり歩いて行こう。

 重い腰を上げた時、「泉!」と私を呼ぶ鈴木君の声が聞こえてきた。声のしたほうに目を向けると、鈴木君が焦った様子で駆け寄ってくる。

 その表情からすると、きっと私のことを心配しているんだよね。鈴木君は外科のドクターだ。当然彼も渡部さんに会ったはずだから。

「探したんだぞ? 電話にくらい出ろよ」

「嘘、電話くれたの?」

 急いでスマホを確認すると、鈴木君から二件着信が入っていた。

「ごめん、全然気づかなかった」

「その顔を見るとそうだろうな。前に一度、三人で中庭で食べたことを思い出せてよかったよ」

 走って探してくれていたのか、鈴木君は額の汗を拭い呼吸を整える。

「ごめんね、心配かけて」

「俺がどうして泉のことを探していたのか、わかっているようだな」

 鈴木君はまるで自分のことのように苦しそうに顔を歪める。