3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 朝は私のお弁当を嬉しそうに持って出かけていったけれど、渡部さんに再会して理人さんは今、どんな気持ちでいるのだろうか。

 こんなに早く渡部さんが戻ってくるとは思わなかったから、私と結婚したことを後悔している? もしそうならどうしよう。

「とにかく! あんな傲慢な女に負けないでね!」

「でも高清水先生なら大丈夫じゃない? 愛妻家で有名じゃない」

「じゃあもっとラブラブなところを見せつけてあげないと」

 目をギラギラさせて距離を詰めてくる先輩たちに一歩後退る。

「ご心配いただき、ありがとうございます。えっと、それじゃご飯を食べてくるので失礼します」

 このままここに留まったら、休憩時間が終わってしまいそうだ。

 先輩たちに「いつでも相談してね」と言われ、頷きながらも逃げるように更衣室を出た。すると廊下を進む同僚たちは、チラチラと私を見る。
 これはすでに噂が広まってしまったようだ。

 足早に食堂へ向かうものの、途中で足が止まる。

 今の時間は多くの人が利用している。そこに行ったらすごく注目を浴び、先輩たちのように話しかけてくる人がいるかもしれない。

 さらに変な噂が立ったら困る。今日は中庭で食べよう。

 踵を返して患者の憩いの場となっている中庭へと向かった。