3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

 理人さんに対する気持ちは報われなくてもいいから、少しでも長く彼と一緒にいたい。そのためにもいつも通りでいないと。

 気合いを入れて調理に取りかかる。そしてすべてのメニューを作り終え、乾いた洗濯物を畳んでいると理人さんが帰ってきた。

 玄関のドアが開く音が聞こえた瞬間、一気に緊張が高まる。

 手を止めて立ち上がって玄関へ向かおうとした時、理人さんがリビングに入ってきた。

「ただいま、野々花。悪かったな、ひとりで帰らせて」

「おかえりなさい。私なら大丈夫です。おじい様にも渡してきました。とても喜んでいましたよ」

 いつも通りと何度も自分に言い聞かせて伝えると、理人さんはホッとした顔を見せた。

「そっか、じいちゃんに喜んでもらえたならよかった。あの患者の容態も安定して、駆けつけた家族も安心していたよ」

「よかったですね」

「あぁ」

 きっと意識がない状態から一命をとりとめられたのは、理人さんの的確な処置があったからだろう。改めて理人さんはすごい仕事をしているのだと実感する。

「無事に帰ってこられたか?」

「……はい」