「あ、分かりました。
さなちゃん、ちょっとお話があるから聞いてもらいたいんだけどいいかな?」


嫌な予感がした


「さなちゃんここ最近ちゃんとご飯食べれてた?」


「食べて…ない…かも…」


怒られるのが怖くて小さい声で答えた


でも啓太先生は耳がいいのかちゃんと聞き取っていた


「そっか、食べれてなかったんだね、苦しかったね」


怒られるどころか慰められた


「でね、さなちゃんが寝てるときに採血したんだけど数値がすごく低かったんだよね、で、体重もすごく減っちゃってて貧血の症状が出てるの。さっきフラッってなったのもそのせい。
だから栄養を体の中に入れたいんだけど、点滴だけだと無理があってこのままだと元気が出なくなって動けなくなっちゃうのね。口からご飯が入れれるなら大丈夫なんだけど食べれそうになかったら鼻からチューブ入れて栄養剤入れたいんだけどどうかな?」



「鼻にチューブ入れるの痛い?」


「最初は痛いかな、付けたあとも違和感あるかもな」


「じゃあ付けない、頑張って食べる」


「分かった、じゃあ今日の昼ごはんと夜ご飯は半分以上食べるの頑張ろうね」


「え、半分も?」


「うん、さなちゃんは今それぐらい栄養が足りないからね。だから半分食べれなかったら強制的につけさせてね」


「鬼ー」


「ごめんね、でもさなちゃんには今必要なことだからね」


「うん、分かった」


半分も食べれない!って思ったけど絶対に鼻チューブつけたくないから返事をした


「よし、じゃあもう少しでお昼ご飯来るからちゃんと食べるんだよ」


「はーい、あ、ねぇねぇ、これ外して!」


下についているチューブに指をさす


「あー、ごめん、もう少しつけてもらってていい?」


「えー、これすごく気持ち悪いんだよね」


「んー、さなちゃんさっきフラッってなったでしょ?今外しても1人で行かせられないからな」


「でもさっき外してくれるって言ったじゃん!」


「分かった分かった、じゃあトイレ行くときは看護師を呼ぶこと!絶対に1人では行かないこと!これが守れるなら外すよ」


「守る守る!」


「分かったよ、じゃあ外そっか、ズボンずらすね」


「え、けいた先生がするの?」


「うん、すぐ終わるから大丈夫だよ」


「はやくしてよ??」


恥ずかしくて目を瞑ったままそういった


途中で看護師も来て手伝っているのが分かった


「はいっ!終わり!じゃあちゃんとさっき言ったこと守ってね」


「え!はや!」


「すぐ終わるって言ったでしょ?じゃあもう行くね、ご飯もしっかり食べるんだよ?」


「はーい」


その返事を聞いて啓太先生と看護師の人は病室を出た