お父さんが帰ってきた


「さな、体調悪いんだってな、ごめんな気づかなくて」


え、なんでそれを?あ、寝てるときにれんくんが連絡したのか


「ううん、それより言わなくてごめんなさい、お父さんたち忙しそうで言えなかった」


「大丈夫だよ、でもれんとくんとかはづきちゃんにははやめに頼ってほしかったな、まぁそれより診察させて。れんとくんちょっと外に」


「待って、れんくんここにいて欲しい」


不安でれんくんとは離れられなかった


「え?さな俺いてもいいのか?」


「うん、いて欲しい」


「わかった、ごめんなれんとくん、さなの手繋いでてもらってもいいか?」


「あ、はい!俺は大丈夫です!さな頑張ろ」


コクンと頷いた


「じゃあまずしんどいとこ言えるか?」


「頭、喉、関節、あとちょっと息しずらい」


上田くんたちに殴られたところも痛かったけど言えなかった


「あと熱があってさっき計ったときは38.9でした」


れんくんがそう付け加えた


「分かった、じゃあ先胸の音きかせてね」


といってお父さんは準備している


待って、お腹のあざバレる


「いやだ、できない」


気付くとそういっていた


「少しだけ聞かせてね」


といわれ、服の下に聴診器を入れられたとき


上田くんたちに襲われたときと同じ感覚がした


気付くと「やめて」といってお父さんの手を振り払い部屋の隅に逃げていた


「ハァハァハァごめんハァハァなさいハァハァごめんハァハァなさい」


息が出来なくて必然的に涙も出てきた


「れんくんハァハァれんくんハァハァ」


助けを求めた


すると体が何かでおおわれた


れんくんだとすぐに分かり、落ち着いたのかそこで意識が切れた