そこで目が覚めた

起きた時はすごく複雑な気持ちになっていた

気づくとお母さんとの記憶が蘇ってきた


あれは私が5歳の頃の話

「さなー、今日天気いいからお散歩しよっか」

「さなー、お母さんと買い物一緒に行こっか」

「さなー、カレー作るから手伝ってー」

私とお母さんは常に一緒にいた

元気で明るくて優しいお母さんだった

でも急に体調を崩すようになった

熱を出したり咳をして苦しそうにしていたりした

今思えば多分それは喘息だったんだろう

そんな時ある事件が起きた


朝寝ているとお母さんの咳をしている声で起きた

「お母さん?大丈夫?」

咳が邪魔して上手く息が吸えていないのに、頷いて私に心配かけないようにしているのが伝わった

「今お父さん呼んでくるね」

急いでお父さんを探したが家にはいなかった

ゆう兄も探したが小学校に行っていていなかった

私は急いでお母さんの元へ戻った

「お母さん、お父さんもゆう兄もいなかった」

いつもなら返事をしてくれるお母さんなのに、苦しそうに咳をするだけで反応がなかった

「え、お母さん??」

ゆすってみても反応が全然ない

私はパニックになった

どうしたらいいのか分からなくて泣いてしまった