コンコンッ ガチャ

さなを起こさないように静かに部屋に入る

さなはスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている

「さな、退院おめでとう、また来るな」

頭を撫で、おでこにそっとキスをし、さなの部屋を出た

階段を降りて、ゆう兄の元へ行き、近くのソファーに座る

「さなまだ寝てたからそっとしておいた」

「そうか、分かった、ありがとなわざわざ」

「ううん、俺がたださなに会いたかっただけだから。じゃあもう帰るね」

と言いながら立ち上がろうとしたら

フラッ

前に倒れそうになった

とっさに手を出して体を支えたため怪我はしなかった

が、視界がグラグラする

「れんと、どうした?大丈夫か?」

「なんか…フラッ…として…しかい…まわっ…てる」

と言うと、ゆう兄は俺の腕を掴み脈をはかった

「けっこう早いな、体動かせそうか?」

俺は首を横に振って

「からだ…うご…かない」

と伝えた

すると

「ちょっとごめんな」

と言いながら俺の体を持ち上げ、ソファーに寝かせた

「あついな、ちょっと熱はかろう」

おでこに手を当てたあと、そう言いながら体温計を俺の脇に滑り込ませた

「れんと、ほかにしんどいとこないか?」

「あたま…いたいかも」

ゆう兄は俺の脈をずっとはかっている

すると体温計がなった
38.0

「ありゃ、高いね、もしかしたら脱水症状かもね、体冷やそうか」

そう言うと、ゆう兄は保冷剤をたくさん持ってきて脇や首、足などに当ててくれた

「ちょっと親父に連絡してくるから待っててな」