ガラガラッ

ドアが開き、親父と結城先生と看護師が来た

「ゆうがありがとな、変わる」

親父がさなの体を支えたのを見て、手を離し、邪魔にならないように後ろに下がった

「オェッゲホッゲボッヒューハァハァハァオェッ」

嘔吐のせいで喘息発作が出た

親父は急いで発作止めと吐き気止めの点滴を用意させるよう指示を出していた

「さなー、分かるか?」

起きない

「先生、点滴準備できました」

「とりあえず点滴しよう、やまとは吸引用意しといて。さなー、ちょっとチクッとするよ」

腕に針を刺し点滴を繋げた

「吸引準備できた、やるか」

誤えんを防ぐために吸引をするのだろう

「俺と山本さんは顔と体抑えるからやまと吸引よろしく」

「分かった、さなちゃん、ちょっと苦しいけどごめんね」

そう言ってチューブを口の中に入れた

「ゲホゲホオェッ ゲホゲホオェッ」

口と顔と手を抑えられているため動かないが顔をしかめて苦しそうにしている

俺は見てられなくて目をそらした

「ごめんね、もう終わるからねー」

と結城先生が言ってやっと吸引が終わった

吸引が終わったあとのさなの顔は辛そうな顔から穏やかな顔に変わっていた

安心したのか足の力が抜け、床に座り込んだ

「熱の影響で嘔吐したんだろう、解熱剤入れたからもう大丈夫だ、安心して寝な」

親父が落ち着いた口調で声をかけてくれた

そのおかげで安心し、親父に支えられながらベットに移動した

「じゃあちょっと片付けしてくるから、おやすみ」

枕やシーツが嘔吐物で汚れていたからそれを変えるのを手伝うんだろう

俺も手伝いたかったけどそんな気力もなかったから素直におやすみと伝えて目を瞑った