話し声が聞こえて目が覚めた

気づいたら氷枕もあった

声が聞こえる方を向いてみると、となりのベットにゆう兄とお父さんがいた

ゆう兄も私と同じ病衣を着ている

「さな!良かった!体調はどうだ?」

私が起きたのに気づいてこっち来て声をかけてきた

「まだ体暑くて頭痛いかも…」

「そっか、鎮痛剤打ってもらおう。それよりごめんな、こんなことなって…」

「お父さんは悪くないから気にしないで?それよりここは?」

ICUにいた時と違う景色になっていたので気になった

「あ、一般病棟だよ。呼吸状態が良くなってたから移れたんだよ。」

ICUは息が詰まりそうな雰囲気があったから一般病棟に移れて良かった

「そっか!よかった、早く治そうね、ゆう兄」

ゆう兄に向かって言った

「おう!早く治そうな」

お父さんは仕事があるから、また来るな、と言って仕事に戻った

「それより頭痛いんじゃなかった?」

ギクッ

「い、いや、もう治ったから大丈夫」

さっきは無意識に言っちゃったけど、痛いことされたくないし、退院も延びるの嫌だから嘘をついてしまった

「え、ほんと?まだ顔赤いよ?」

不思議そうな顔でこっちを見てくる

「これは気のせいだから!それより寝ないと退院のびちゃうからもう私寝るね」

何か疑ってるような目で見てくるゆう兄を無視して、ゆう兄とは反対側に体と顔を向けて寝た