「はぁーおわった!」


朝の回診やカルテの整理など、一通りの仕事を終え、やっと昼休憩に入れた


時計を見ると15:00だった


うわ、もうこんな時間か、とりあえずご飯食べるか


そう言い、ご飯に手をつけようとしたとき


俺のPHSがなった


「はい、佐々木です」


看護師からだ


「え?分かった、すぐ行く」


どうやらさなちゃんがまた暴れたみたいだ


ゆうと先生にも連絡を入れて、急いでさなちゃんのとこへ向かった






ガラガラガラ




病室に入ると、さなちゃんが暴れたからか、いろんなものが散乱していた


さなちゃんは点滴を抜き、壁の方にもたれて、泣き叫んでいた


「さなちゃんどうしたー?」


「いやっ!やめてっ!だれにも、いわないから、ばらまかないでっ!」


ばらまかないで?どういうことだ?


それより今はさなちゃんを落ち着かせることだ


「なにがあった?」


看護師に聞く


「10分ほど前にさなちゃんの病室から泣き叫ぶ声が聞こえたので急いできたら、もうこの状況でした」


「そうか、ありがとう!
さなちゃーん、聞こえる?先生だよ、もう大丈夫だから、1回落ち着こっか」


さなちゃんは俺と目が合うと、張り詰めていた糸が切れたように涙を流し、俺に抱きついた


「……っ」


「大丈夫、大丈夫」


そう言い続けながら背中をさすった