今日こそ……、今日こそお師匠様に夜這いをかけるべく、私はフリルのついた可愛いネグリジェに枕を抱いてそろりそろりとお師匠様の部屋の前まで来た。

「お師匠様好き」

もう何回告白したことだろう。

「バカ言ってないで仕事しろ」

かれこれもう何回相手にされず叱られたことか。
お師匠様は私を子どもとして見ている。
お師匠様は何歳かしらないけど……、かなり年上。

だけど私ももう十八歳。
この国の平均結婚年齢。
まさに適齢期。
とっくに結婚していてもいい年頃だ。

胸だって大きく膨らんで……、うん、ちょっと小ぶりだけどきっとお師匠様好みだと思うし、ネグリジェだって似合ってると思うんだけど。

お師匠様の部屋には魔法で鍵がかかっている。
お師匠様は昔大魔法使いだった。
だから今でもその力は健在。

でもでも、私だってお師匠様の弟子。
直々に魔法を習ったのだ。
「ローサは筋がいいな」って、褒められたことだってある。
だから今の私ならきっとやれる。
お師匠様の部屋の鍵、開けて見せる。