「ゴホッ、ゴホッ……」

咳が止まらない……。

それに気がついたのは、コナンが眠ってしばらくした後だった……。

自分の咳に驚いたコナンは身体を半分起こして、苦しそうに咳を吐き出していた……。

その時、夕飯の準備をしていた蘭が心配そうにコナンが寝ている寝室へやってきた。

「コナン君!?どうしたの?大丈夫??」
「う、うん…大丈…ゴホッ、ゴホッ………」
「コナン君………」

そんな様子を見た蘭が慌てて救急箱から薬を持ってきて、コナンに渡した…。

「コナン君、これ…咳止めだけど、飲んでみる!?」
「うん……」

そう返事をして、薬を飲んで数分後……。

漸く、コナンの咳が止まり……落ち着いたのを見ると、コナンに夕飯を促した………。

「大丈夫!?ご飯食べれる……?」
「うん……ごめんね、蘭ねーちゃん!」
「いいの……そんな事心配しないで……」

そして、その後……蘭や小五郎に身体の心配をされながら、食事を済ませるが……その後、更にコナンの身体を襲う異変が起こった………。



夜中の2時頃……。

蘭や小五郎もぐっすり眠っていた時……コナンは、息の苦しさに目が覚めた…。

「ハァハァ……ゴホッ、ゴホッ…」

夜に薬を飲んだ時、いっときは楽になったと思ったらのに……再び、コナンを襲ってきた。

布団の中で咳をし続けるコナンに気づいて、小五郎が心配してコナンに声をかける……。

「おい、コナン……大丈夫か?」
「大丈夫……」
「大丈夫じゃねーだろ!」

辛いのを押し殺して、尚平気を装って返事をするコナンに小五郎の心配が増す………。

「おい、蘭………」

心配しながら、蘭を呼びにいく間もコナンの咳は止まらないままだった……。

「コナン君、どうしたの?大丈夫……?」
「大丈……」

小五郎に呼ばれた蘭が、コナンの所へやって来るなり蘭はコナンに声をかけた。

その蘭の問いに、返事を返そうと声を出したコナンに喉の痛みが襲った……。

喉を押さえて、苦しそうに息を吐き出すコナンを見る蘭は、尋常ではないコナンの状態を目にして、青ざめた顔でコナンを抱き上げた。

「コナン君?」
「うっ…ハァハァ、ハァハァ…ううっ……」
「コナン君、大丈夫、大丈夫だから!今、お父さんが救急車呼んでくれてるから、待ってて!」
「ら、蘭ねーちゃ………」

コナンは、そう一言言うと……意識を失った………。

「コナン君?コナン君!!」

この日の、真夜中の出来事が……コナンにとって、命をかけた戦いになる事を……コナンの病魔だけが知っていた。