6月の暖かいある日の体育の授業中……。

いつもの様に、クラスみんなで校庭でサッカーをしていた時……。

ゴールに向けてボールを蹴っていたコナンに異変が起きる………。

「うっ………」

頭を支えて、立ち止まるコナンに…元太達は駆け寄る……。

「おい、コナン…大丈夫か!?」
「大丈夫…ちょっと立ちくらみが……」

そう言って、無理やり笑顔を向けるコナンに灰原は呆れながら、コナンのおでこに手をやる……。

「ちょっと、熱あるじゃない!!」
「え?」

コナンは自分の熱がある事に、気づかなかった………。

「そういえば……ちょっと頭が……」

そう言って、自分の額を触るコナンは徐々に体力が消耗してゆく…。

「コナン君!」

ついにコナンは地面に手をついて、呼吸を荒げていた………。

「コナン君!?どうしたの?」
「せん、せ…い………ハァハァ………」

異変を感じた小林先生がコナンに駆け寄ると、コナンはやっと目を開けて小林先生の方へ辛い顔を向けていた。

「コナン君、どうしたの?大丈夫!?」

そう言って、コナンの額に手を当てる小林先生は慌ててコナンを持ち上げると、クラスの皆に声をかけて保健室に急いだ。




“ピピピ………”

ベッドに横たわっているコナンに挟んでいた体温計を見つめると、保険の先生は目を丸くした。

「こんな熱でサッカーしてたの?コナン君!?」
「………」

コナンは保健室のベッドに運ばれてから、自力で起き上がれない位荒い呼吸を吐き出していた。

「ま、でも…そこまで高くないし、解熱剤を飲んで大人しく寝ていれば……直に下がりますよ……」
「「よかった~」」

保険の先生の言葉に、コナンの事を心配して小林先生の後をついてきた元太、光彦、歩美、灰原は安堵の声を上げた。

「まったく……」

灰原は、コナンの前に立つと…呆れた声で言い放った。

「余計な心配させてるんじゃないわよ……」
「わ、悪い……」

灰原の言葉に、やっと目を開けて苦笑いをさせながら、謝るコナン……。

灰原が保健室から出て行くに続いて、元太達三人も小林先生に連れられて授業に戻って行った。

残されたコナンは、ここ数日の自分の身体の変化に気にしつつ、大した事はないと自分に言い聞かせながら、薬を飲んだコナンは眠って行った。