【短】失恋スタートライン



「俺のことはきっぱり諦めるか、無謀なのを分かってて続けるか。前者の方が賢い選択だと思うけど、どうする?ストーカー」



私の目を見て真剣に訪ねてくる高瀬くんはずるいと思う。

こんなに近くで、そんな真剣な表情で、優しい声で。


本当にずるい。

ますます私の気持ちは固まってしまった。



「好きです!付き合ってください!!」

「ごめんなさい、無理です」



再び告白すると、即答で断られる。

だけど、そう言った彼は楽しげに口角を上げていたのを見逃さなかった。


すぐに立ち上がって私に背を向けた高瀬くん。



「絶対に振り向かせるから!」

「やれるもんならどうぞ」



ポケットに手を入れて歩き出した高瀬くんの後ろ姿に手を伸ばす。


絶対にその背中を捕まえてみせるから覚悟しててね?


私は今、このクールで少しイジワルな彼とのゴールの見えない恋に、1歩足を踏み出した。