【短】失恋スタートライン



と、とりあえず良かった……。

やっと窮地を抜け出せてその場にぺたんと座り込む。

そんな私の耳にピッとガタンッという音が連続で届いた。



「はい」

「え?」

「飲めば?」

「あ、ありがとう……」



座り込む私に目線を合わせるようにしゃがんだ高瀬くん。

パックのココアは偶然か必然か、私がいつも飲んでいるものだった。


それを受け取り、両手で包み込む。



「助けてくれてありがとうございます」



俯きがちに言えば、涙があふれそうになる。

ホッとしたせいかな。

あの時は必死で、どうにでもなれ!なんて思ったけど。


実際どうにでもなっていたらと思うと怖い。