「ジュース買いに来ただけ。ここは何気に穴場だからね」
「チッ……行くぞ」
「やっ!」
「あ、ついでにその子も返してくれる?」
「はぁ?何でお前のものみたいになってんだよ」
中田くんがだんだんとイラついてるのが分かる。
最初は優しげだったのに、今では言葉も乱暴だし声もドスがきいたように低い。
さっきまで強気でいられた私もさすがにこの豹変には怖くて、どうしたらいいか分からない。
「高瀬くん……」
目の前にいる大好きな彼に助けを求めるように見れば、私をチラッと見てすぐに逸らされる。
……高瀬くんに助けを求めるのは間違ってるよね。
「……中田くん」
「何だよ」
「毎朝、高瀬くんが登校してくるのを教室の窓から確認して、そのあとは廊下で待ち伏せて朝の挨拶をするところから私の1日は始まります」
「は?」
「高瀬くんのクラスの時間割はもちろん把握しているので、移動教室の時はあえてお手洗いに行く振りをして廊下で待ち伏せします」
「え」
そう声を上げたのは高瀬くんだった。
でも、私の口は止まらない。



