【短】失恋スタートライン



両手首を掴まれて壁に押し付けられる。

男の人の力は強くて暴れても外れることはない。



「俺の彼女になってくれるなら乱暴はしないよ」



もう乱暴されたってなんだっていい。



「私は高瀬くんが……っ!」

「……呼んだ?」



目の前の恐怖から逃れるように目をつぶって叫ぼうとした時、ふいに大好きな声が聞こえてすぐに目を開けた。

壁に押し付けられてるから、目だけで声の主を探す。


そこにはポケットに手を突っ込んでいる高瀬くんがいた。


まさかの登場に、無性に泣きたい気持ちになった。


こんなところを見られるのは恥ずかしいって気持ちと、高瀬くんが近くにいる安心感。



「何だよ、お前。どっか行けよ」



高瀬くんに何て口の聞き方をするの……!


正直今までで1番ムカついてキッと中田くんを睨んだ。


けど、私に気づかず高瀬くんを睨むように見ている。



このやろっ!!