「でも、私には好きな人がいるので付き合うことはできないです。ごめんなさい」
中田くんに好意を持ってもらえていたのは素直にすごく嬉しかった。
それでも、やっぱり私は高瀬くんじゃないと気持ちが動かないって再認識してしまった。
「田宮さんのこと見てたから知ってる。それでもいいから」
「え、ちょっ!」
急に腕を掴まれて驚く。
もうこれでおしまいじゃないの?
「高瀬に相手にされてないじゃん。それだったら俺にした方が、田宮さんも幸せになれると思うけど?」
「離してっ!」
「報われない恋なんて寂しいだけでしょ。俺なら田宮さんに気持ちを返せるよ」
そんなのいらないから。
これから私の気持ちがどうなるかなんて知らないけど、今は高瀬くんでいっぱいなんだもん。
その間だけは他の人にこの気持ちを渡さないし、寂しいって思われてても構わない。
例え報われないとしても、今だけは見返りなんていらないって思うほどに高瀬くんが好きなんだから。
もし寂しくなって嫌になったら、その時に考えることにするし。



