「もう行くから」 「うん、聞いてくれてありがとうございました!」 ペコッと頭を下げれば、不審そうに眉を寄せながら振り返り歩き出した。 そんな高瀬くんの後ろ姿を見送る。 廊下の突き当りを曲がって見えなくなった瞬間に、壁に寄り掛かった。 手が震えてる……。 すごい緊張したな。 でも高瀬くんと初めて話すことができた。 想いを伝えることができた。 それだけで振られたとしてもすごく満足している。 私はここから頑張っていく。