場所は地域内でもそこそこな大きさの神社、案の定の人の数に来て早々に帰りたくなってきた。そもそもの話、来たくはなかったんだが… 「姉ちゃん、来たくないとか言ってたクセに服装ガチじゃん」 元凶である弟はこちらを見ると不満気な声をあげた。それはそうだろう、私が現在来ているのはれっきとした浴衣なのだから。これを着るのに実に1時間もの時間を有した。そのせいなのか、今の弟の状況がこれである。 「いいじゃん、元はと言えばあんたが無理矢理連れて来させたんだから、せめてもの条件。お金とかせびらない分ありがたいと思ってよね」

