「…なに」 「別にぃ?姉ちゃんには本当に行きたくない理由があったんじゃないかと思ってね」 けろっと答えられる。完全な図星だ。 「本当もなにも、私は外に出たくなかっただけだよ」 辞めとけばいいのに、私は必死に隠す。そんな私の姿を見ると、弟は私からつまらなそうにそっぽを向いた。 「ふ〜ん、まぁ言いたくないなら言わなくていいよ」 弟はそれっきり話さなくなった。 (こ、このマセガキ!) 小1に負けた感じがして、思わず心で呟く。

