昇降口まで行き、靴を履き替えている途中で数人の女子と目が合った。
合うどころか私を見ている。
なんだろう。
服が乱れている?
自分の身なりを出来る範囲で確認するが、どこも変わったところはない。
私を通した向こう側を見ているのだと処理して、教室へ急いだ。
「あっ、来たっ!壱ちゃん!ほんとなの!?」
教室の手前、私を見つけてた安倍さんが興奮気味に腕を掴んで詰め寄ってきた。
何故だか目がキラキラしている。
「なにが?」
なにがほんとか分からない私は訊かれたことの意味が分からず首を傾げるだけ。
「なにって、奥津先輩だよーっ!付き合ってるってもううわさだよー!!?」
きゃーきゃーしながら私の腕を振り回す安倍さんの衝撃発言に、度肝を抜かれてしまった。
なんてことなんだろう。
さっきのさっき、今さっきの話がもうこんな進学部にまで届いているなんて思いもしなかった。
あの辺りに進学部の子がいたのだろうか。
にしても恐ろしき情報蔓延。
加えて、驚くべき奥津壱矢効果。
壱矢が学部関係なく人気者でモテモテ君であることは分かっていたけれど、まさかこんなふうにさっきの話が広がってしまうほどの影響力があるなど思ってもみなかった。
誰かと誰かが付き合っているのは日常茶飯事で起こっていることなのに、その一部分も私の耳には届いていない。
なのに、壱矢の情報と来たら一瞬だった。
あ、そうか。
だからさっき私のこと見てたんだ。
昇降口で目があったのは気のせいでもなんでもなくて、彼女達は私を見ていた。
合うどころか私を見ている。
なんだろう。
服が乱れている?
自分の身なりを出来る範囲で確認するが、どこも変わったところはない。
私を通した向こう側を見ているのだと処理して、教室へ急いだ。
「あっ、来たっ!壱ちゃん!ほんとなの!?」
教室の手前、私を見つけてた安倍さんが興奮気味に腕を掴んで詰め寄ってきた。
何故だか目がキラキラしている。
「なにが?」
なにがほんとか分からない私は訊かれたことの意味が分からず首を傾げるだけ。
「なにって、奥津先輩だよーっ!付き合ってるってもううわさだよー!!?」
きゃーきゃーしながら私の腕を振り回す安倍さんの衝撃発言に、度肝を抜かれてしまった。
なんてことなんだろう。
さっきのさっき、今さっきの話がもうこんな進学部にまで届いているなんて思いもしなかった。
あの辺りに進学部の子がいたのだろうか。
にしても恐ろしき情報蔓延。
加えて、驚くべき奥津壱矢効果。
壱矢が学部関係なく人気者でモテモテ君であることは分かっていたけれど、まさかこんなふうにさっきの話が広がってしまうほどの影響力があるなど思ってもみなかった。
誰かと誰かが付き合っているのは日常茶飯事で起こっていることなのに、その一部分も私の耳には届いていない。
なのに、壱矢の情報と来たら一瞬だった。
あ、そうか。
だからさっき私のこと見てたんだ。
昇降口で目があったのは気のせいでもなんでもなくて、彼女達は私を見ていた。

