この場を鎮めるため、手っ取り早い方法でいつもと同じに問題を排除しますか?
私はもう、まるく収めませんよ。
もう間違えない。

 「正しい選択しろよ?父さん」

顔を引き釣らせた恭吾さんからは、その選択の重さをひしひし感じた。
もう見て見ぬふりができないところまできている。
愛羅の肩を掴む手がいつもより強いのは、これから選ぶ答えの重圧からだろうか。
沈黙に耳が痛い。
蝉がうんと遠くから哭いてる気がした。