まぁ、二人で外泊したのだから遅かれ早かれ追求されることは分かっていたけれど。
「そのくらいのこと計算に入れとくべきだよね、父さん」
断言通り、ずいぶん酷い言葉を選んで吐いている。
抑えていたものが爆発すると、誰もが止められなくなるものだ。
壱矢も例外ではなく、静かに今までの分を放出させていた。
「喜美子さんと出会った頃、二人きりでなにも起きない自信あった?ないよね?男と女が一緒にいたらそういう反応起こることくらい身をもって立証済みじゃないの?俺らに父さんにも出来なかったことしろっていうのは無理じゃね?」
「それとこれとは話が違うだろ。家族なんだぞ?俺たちは」
「なんにも違わねぇよ。家族とか、ぶっちゃけ父さんと喜美子さんだけの話だよね、それ。俺ら子供は選択肢がない上に巻き込まれたら逃げらんねんだよ。親視点でばっかもの言うなよ。俺と壱だって普通に男と女なんだよ。それを家族だからって幸せ気分満載の二人に言われたって説得力ねぇよ。子供だから諦めろって?先に家族になったらそっちに合わせなきゃなんねぇの?おかしいだろそれ」
自分で生きていく強さも生命力も、経済力もなにもない私たちには選択権はない。
親が再婚するならそれに従って着いていくしかないのだ。
独裁政権だ。
どちらが先にとか、そういうことではない。
仮に私と壱矢が先に出会って恋をしていたら?
この場合もやっぱり、私たちが別れさせられるんだろう。
親とは身勝手な生き物だ。
自分達に不都合なものは、切り捨てていく。
「そのくらいのこと計算に入れとくべきだよね、父さん」
断言通り、ずいぶん酷い言葉を選んで吐いている。
抑えていたものが爆発すると、誰もが止められなくなるものだ。
壱矢も例外ではなく、静かに今までの分を放出させていた。
「喜美子さんと出会った頃、二人きりでなにも起きない自信あった?ないよね?男と女が一緒にいたらそういう反応起こることくらい身をもって立証済みじゃないの?俺らに父さんにも出来なかったことしろっていうのは無理じゃね?」
「それとこれとは話が違うだろ。家族なんだぞ?俺たちは」
「なんにも違わねぇよ。家族とか、ぶっちゃけ父さんと喜美子さんだけの話だよね、それ。俺ら子供は選択肢がない上に巻き込まれたら逃げらんねんだよ。親視点でばっかもの言うなよ。俺と壱だって普通に男と女なんだよ。それを家族だからって幸せ気分満載の二人に言われたって説得力ねぇよ。子供だから諦めろって?先に家族になったらそっちに合わせなきゃなんねぇの?おかしいだろそれ」
自分で生きていく強さも生命力も、経済力もなにもない私たちには選択権はない。
親が再婚するならそれに従って着いていくしかないのだ。
独裁政権だ。
どちらが先にとか、そういうことではない。
仮に私と壱矢が先に出会って恋をしていたら?
この場合もやっぱり、私たちが別れさせられるんだろう。
親とは身勝手な生き物だ。
自分達に不都合なものは、切り捨てていく。

