私を見て、形容しがたい表情を浮かべて下唇を噛む。
強いて言うなら、同情、憐れみ、だろうか。
「そんな…壱、なんでそんな…心配するに決まってるでしょう!?私は母親なのよ!?あなたが思ってるような、そんな、そんな反応示すわけないじゃない」
私の腕を掴み、激しく揺さぶって泣き崩れる。
あの日打ち明けていれば、同じ対応だったんだろうか。
どちらにしても、私に素直に受けとる余裕なんて残ってはいない。
打算が透けて見えた気がした。
娘を気づかう母親のふり、そんなふうにしかもう、自分の親を見ることが出来なくなっていた。
空々しい気持ちに、自分でも驚きだ。
こんなにも、私は、荒んでしまった。
親の心配も愛情も、まるごと信じられないくらいに。
「でも私、信用してないの、母さんを」
母の手を取り、自分から離した。
そう、私は信用してない。
母も、母の態度も、母の言葉も。
「何言うの…壱」
「私のなかで母さんは、もう愛羅の母さんだから」
ずいぶん前からそうだった。
母は、母は────
「そんなわけないでしょ!!?」
声をあらげて否定し、今度は私を抱き締めようと手を伸ばす。
私は壱矢の腕の中へ逃げ、母を拒絶した。
もう遅い。
強いて言うなら、同情、憐れみ、だろうか。
「そんな…壱、なんでそんな…心配するに決まってるでしょう!?私は母親なのよ!?あなたが思ってるような、そんな、そんな反応示すわけないじゃない」
私の腕を掴み、激しく揺さぶって泣き崩れる。
あの日打ち明けていれば、同じ対応だったんだろうか。
どちらにしても、私に素直に受けとる余裕なんて残ってはいない。
打算が透けて見えた気がした。
娘を気づかう母親のふり、そんなふうにしかもう、自分の親を見ることが出来なくなっていた。
空々しい気持ちに、自分でも驚きだ。
こんなにも、私は、荒んでしまった。
親の心配も愛情も、まるごと信じられないくらいに。
「でも私、信用してないの、母さんを」
母の手を取り、自分から離した。
そう、私は信用してない。
母も、母の態度も、母の言葉も。
「何言うの…壱」
「私のなかで母さんは、もう愛羅の母さんだから」
ずいぶん前からそうだった。
母は、母は────
「そんなわけないでしょ!!?」
声をあらげて否定し、今度は私を抱き締めようと手を伸ばす。
私は壱矢の腕の中へ逃げ、母を拒絶した。
もう遅い。

