でも、私にとってそれはどちらでも同じことだった。
責められるのなら、どっちの側でも大差はない。
味方なら、味方らしくしてよ…。
「彼女のワガママ矯正にまで付き合ってられません。なんでそれ私に言うんですか?先輩何がしたいんですか?私にそんな選択肢あると思いますか?彼女は私の妹じゃありません。私に言うなんて、あんまりです」
「そんなこと言ってない。あいつのワガママ矯正は親父と喜美子さんがすればいい。でもそうやって諦め続けたら、壱にはなにも残んなくなるだろ。それが、見てられない」
しらないわよ、そんなの。
それだって、私に言うことじゃないじゃない。
何にも残んないなんて、なんでそんな分かりきったこと未練がましく知らしめてくるのよ。
「すみません。私暴れ方、知らないので」
昔、父親がいる小さい頃なら分かっていた。
でも、父がいなくなってからはそんなもの、捨てるしかなかった。
持っていても仕方がないスキルだ。
この先も必要ない。
壱矢の手をやんわり離し、彼から背を向ける。
「いつもありがとうございます。先輩はいつも私の味方だって最近よく感じます。今はそれだけで十分ですから」
それだけは失いたくなかった。
壱矢が味方であるという確信が揺るがないよう、それだけは失わないよう、私は私にできる限りの予防線を張った。
壱矢に無言の圧力をかけたと言っても間違いじゃない。
こう言うことで、無下に私の手を離させないようにしたのは、私の黒いところだ。
優しい壱矢は、これに反することはできない。
嫌な自分に吐き気がする。
責められるのなら、どっちの側でも大差はない。
味方なら、味方らしくしてよ…。
「彼女のワガママ矯正にまで付き合ってられません。なんでそれ私に言うんですか?先輩何がしたいんですか?私にそんな選択肢あると思いますか?彼女は私の妹じゃありません。私に言うなんて、あんまりです」
「そんなこと言ってない。あいつのワガママ矯正は親父と喜美子さんがすればいい。でもそうやって諦め続けたら、壱にはなにも残んなくなるだろ。それが、見てられない」
しらないわよ、そんなの。
それだって、私に言うことじゃないじゃない。
何にも残んないなんて、なんでそんな分かりきったこと未練がましく知らしめてくるのよ。
「すみません。私暴れ方、知らないので」
昔、父親がいる小さい頃なら分かっていた。
でも、父がいなくなってからはそんなもの、捨てるしかなかった。
持っていても仕方がないスキルだ。
この先も必要ない。
壱矢の手をやんわり離し、彼から背を向ける。
「いつもありがとうございます。先輩はいつも私の味方だって最近よく感じます。今はそれだけで十分ですから」
それだけは失いたくなかった。
壱矢が味方であるという確信が揺るがないよう、それだけは失わないよう、私は私にできる限りの予防線を張った。
壱矢に無言の圧力をかけたと言っても間違いじゃない。
こう言うことで、無下に私の手を離させないようにしたのは、私の黒いところだ。
優しい壱矢は、これに反することはできない。
嫌な自分に吐き気がする。

