母もそれなら分かってくれるだろうし、愛羅にも昨日浴衣を買ったのだから私に賛同してくれるはずだ。
なのに、母は──────
「いいじゃない、壱、譲ってあげたら?昔から着てるしたまには違うの着てみてもいいじゃない?」
私の顔を見ることもせず、畳の上に散らばった飾り物などを片付けながら否定した。
まさかここにきて、これさえも私に権利がないとは思いもしなかった。
頭が真っ白になって、うまく思考が回らない。
私のものだって、言ったのに。
この浴衣をくれるとき、娘が出来たら着てもらおうと思っていたと言い、私が受け継いで嬉しいと喜んでいた。
私もそうできて嬉しいと思っていたのに。
こんなにも脆く、こんなにもあっさり覆されるなんて思ってもみなかった。
悔しくて、悲しくて、ひとりぼっち感がハンパない。
「私がこれ着たらもうダメなの?」
自分でも驚くほど低く掠れた声で、無意識に口から溢れていた。
私にはもうこれを着る機会なんて訪れない気がする。
愛羅の手に渡ってしまえば、返してくれるなんてことあり得ないだろう。
だからどうしても阻止したかったのに。
「ダメじゃないけど、愛羅ちゃんも着たがってるし、貸してあげてもいいんじゃない?あなたお姉ちゃんなんだから」
ぴくんと肩が跳ね、両手が握り拳を作った。
なのに、母は──────
「いいじゃない、壱、譲ってあげたら?昔から着てるしたまには違うの着てみてもいいじゃない?」
私の顔を見ることもせず、畳の上に散らばった飾り物などを片付けながら否定した。
まさかここにきて、これさえも私に権利がないとは思いもしなかった。
頭が真っ白になって、うまく思考が回らない。
私のものだって、言ったのに。
この浴衣をくれるとき、娘が出来たら着てもらおうと思っていたと言い、私が受け継いで嬉しいと喜んでいた。
私もそうできて嬉しいと思っていたのに。
こんなにも脆く、こんなにもあっさり覆されるなんて思ってもみなかった。
悔しくて、悲しくて、ひとりぼっち感がハンパない。
「私がこれ着たらもうダメなの?」
自分でも驚くほど低く掠れた声で、無意識に口から溢れていた。
私にはもうこれを着る機会なんて訪れない気がする。
愛羅の手に渡ってしまえば、返してくれるなんてことあり得ないだろう。
だからどうしても阻止したかったのに。
「ダメじゃないけど、愛羅ちゃんも着たがってるし、貸してあげてもいいんじゃない?あなたお姉ちゃんなんだから」
ぴくんと肩が跳ね、両手が握り拳を作った。

