陰鬱な空気が中から飛び出し、まるで物の怪の類いが解放されてこちらにぶつかってくるような、そんなまとわりつく湿っぽさを感じた。
嘔気がせりあがる。
胃が…、痛い。
喉元まで上がっていたなにかを強引に飲み下し、佐竹さんに続いて部屋へ入った。
部屋の中は薄暗くて、まさに陰鬱。
スピーカーや何かの機材が置かれていて、中央には小さなテーブルがある。
けれどそれだけではなく、そこには数人の男性の姿があり、私を見ていた。
それだけのことなのに萎縮する。
男の人が一人でも気分が悪いのに、数人となると…。
警察官だとは分かっていても、頭の中にはもう人科の雄としか認識していない。
こんなに人がいるなら最初から知らせてほしかった。
無意識に後ずさりする私の肩を、佐竹さんが軽く支えた。
ビックリして思わず後ろへ跳び跳ねた私は、閉めたばかりのドアに激突してしまった。
「申し訳ない、驚かせてしまった」
「いえ、こちらこそ」
何事にも“しすぎ”ている自分が情けない。
「じゃあそっちへ」
促された場所は大きな黒い窓のようなところで、部屋に入ったときは暗くて確認できなかったが、前に立つとその存在は重苦しいほど大きい。
マジックミラーというやつで、こちらからは向こうが見えても向こうからはこっちが見えない。
うっすらと、テーブルや椅子などが見える。
ドラマで観たのと差ほど変わりの無い造りが、現実を少し遠ざけた。
嘔気がせりあがる。
胃が…、痛い。
喉元まで上がっていたなにかを強引に飲み下し、佐竹さんに続いて部屋へ入った。
部屋の中は薄暗くて、まさに陰鬱。
スピーカーや何かの機材が置かれていて、中央には小さなテーブルがある。
けれどそれだけではなく、そこには数人の男性の姿があり、私を見ていた。
それだけのことなのに萎縮する。
男の人が一人でも気分が悪いのに、数人となると…。
警察官だとは分かっていても、頭の中にはもう人科の雄としか認識していない。
こんなに人がいるなら最初から知らせてほしかった。
無意識に後ずさりする私の肩を、佐竹さんが軽く支えた。
ビックリして思わず後ろへ跳び跳ねた私は、閉めたばかりのドアに激突してしまった。
「申し訳ない、驚かせてしまった」
「いえ、こちらこそ」
何事にも“しすぎ”ている自分が情けない。
「じゃあそっちへ」
促された場所は大きな黒い窓のようなところで、部屋に入ったときは暗くて確認できなかったが、前に立つとその存在は重苦しいほど大きい。
マジックミラーというやつで、こちらからは向こうが見えても向こうからはこっちが見えない。
うっすらと、テーブルや椅子などが見える。
ドラマで観たのと差ほど変わりの無い造りが、現実を少し遠ざけた。

