今度もマネージャー同士のやり取りからの、事務所のカフェに呼び出され、美聖は気を緩めていた。

期待するとその分、落胆が大きい。coc9tailのチケット当落の時だってそうではないか。




「あ、お疲れ様です」




だから、美聖は、息吹《本物》が待っていたことに、頭が追いつかなかった。


いつの日かと同じように踵を返してどこかに隠れようとする美聖を、息吹は走ってすぐさま捕まえる。




「なんですぐ逃げようとするんですか」

「たっ、太陽は直視できないようにできてるんです」

「え?いやあの、会話のキャッチボールって知ってます?」

「太陽と平民が会話しますか?」

「は?」

「え?」