「お疲れな柊さん、お昼寝中でーす」




翠が手持ちカメラを美聖に向けながらやってくる。


美聖は現場にあったベンチに腰掛けてうつらうつらと眠りに落ちていたが、翠の声に、目を覚ます。


前日の写真集の撮影が夜中まで長引いて、2時間しか睡眠を取っていない美聖は、元気な翠に微睡みの笑みを見せて「おはようございます」と呟く。



「寝起きの柊さん」



翠は楽しそうに言うと、美聖の隣に座り、カメラを自身と美聖に向ける。おそらく特典の映像にでも使われるのだろう。



「皆さんおはようございまーす」

「おはようございます」


カメラに向かって手を振る翠に倣って、美聖も手を振る。