「あっ」



慌てる息吹に、美聖は嬉しさで緩む顔のまま口を開く。




「誰かを抱きしめる時もキスする時もそういう時も、俺の気持ちは息吹さんに向いてるよ」

「……え?」

「ドン引きされるのが嫌で黙ってたけど、息吹さんの顔見れない方が嫌だから」



息吹は、クッションに顔を押し付けたせいで顔周りの髪が乱れている。美聖はひとつひとつ、その乱れを直して。


もう一度、息吹の額にキスをしてから、顔を離し、緩む頬のまま告げた。



「あんまり可愛いことされると、本当にしちゃいそうになるから、気をつけて」



息吹は緩みそうになる唇をぎゅむ、と噛んで、それから、拗ねた顔のまま言った。




「ちゃんと息吹って呼び捨てにしてね」



「わぎゃばたくふぬぐうううっ……!」

「え?」



あまりの可愛さに今度は美聖がクッションに顔を埋める番だった。