「──出したくてたまらない時も、ね」




美聖の掠れた声に、息吹がボンと顔を赤くして、そんな息吹の顔を見て、美聖もまた顔を赤くして。



「是故空中 無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界 乃至無意識界 無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得」

「それやめてくれませんか、夢に出そう!」

「俺もです」

「え?…あはっ、だめじゃん」



お互いに笑い合っているうちに、疲れがどっと溢れ出て、いつの間にかふたりとも同じベッドで眠ってしまったのだった。