私が二人の前について足を止めると二人は私を見て目を見開いた。
「あ、天川さ…」
「えっと、あの…」
二人はかなり動揺しているみたいだった。
私はそのままニッコリと話しかけた。
「ねぇ、日比野くん。時山くん。今の話、私にも詳しく聞かせてもらえないかな?」
「「え……?」」
二人は声を揃えて言った。
怒りをおさえろ……。
大丈夫、私は笑えるよ。
私は言葉を続けた。
そしてさりげなく頬をおさえ、二人を見る。
「どうして彼が突然暴力をふるったのか気になってたんだ。だから…教えてくれない?」
私はまたニッコリと笑った。
二人は顔を青くさせ、今朝の話をしてくれた。

「つまり君たち二人が最初に彼を吹っかけたってことでいいんだよね?」
「「……はい」」
…理由はなんとなくわかったけど、とても子供っぽいなと思ってしまった。
私はとりあえず…。
「じゃあ職員室行こうか」
と言うと、二人はえ?という顔をした。